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シリーズインタビュー「独立・開業の真相究明!実践者の言葉」NEWS&FAQ

株式会社VOYAGE 代表取締役 新井 卓二さん                  

今回の実践者は、株式会社VOYAGE(ヴォヤージュ、東京・新宿) 代表取締役の新井 卓二さんです。

新井さんは、2010年に企業にセラピストを派遣する形で健康支援サービスを行う事業、今までない形態でのリラクゼーションビジネスを起こした、まさに起業家です。駅前、商店街、駅ビル内などでマッサージ店を展開する企業や個人とは違い、事業所に出向きリラクゼーション(整体、手もみ、足つぼ等)を行うことに重きを置き、本格展開を目指しています。同じサービスでも、立ち位置を変えれば、新たなビジネスチャンスを獲得できるという商売の本質を見極め、実践されています。

今回は、起業に向けた発想や独立後の苦労話、今後の事業展開などについて、お聞きしました。
― セラピストを派遣する、それも事業所へという発想は、そもそもどこから生まれたのでしょう?

新井卓二氏(以下、新井氏):実は米国の企業などでは当たり前なんです。グーグルなんかも、事業所にリラクゼーションルームを持っています。専属のマッサージ師を雇用しているところもあり、おまけにストックオプションを付与しているケースもあります。 よく言われることですが、「起業するなら米国で流行っている事例を持ってこい」に近いところがあり、独立するなら保育ビジネスかリラクゼーションビジネスと思っている中、こうした情報を得たのがきっかけでした。

― 職場でマッサージ!それは知りませんでした。ちょっと驚きです。

新井氏:必死で米国の会社のアニュアルレポート(投資家や株主向けの報告書)を読みました。実態を調べようと思って。
すると、アニュアルレポートに出てくる 約90%の会社が、リラクゼーションルームとかレストルームを持っていることがわかりました。
 それから、出会いもありました。会社勤め時代の後輩がリラクゼーション業界に転職していて、話を聞くと業界の上客は「社長」。会社まで来てくれないか、といったことをよく言われるとも聞きました。

― 事前の調査は重要ですね。そして、実際に開業されるわけですが、考えていたことと現実はどうでしたか?

新井氏:1年目は本当に理解されなかったですね。元々、営業畑にいたものですから、 飛び込みなどはまったく苦になりません。ですから、あちこちと飛び込みをかけて、顧客を開拓しようとしました。
しかし、後々分かるのですが、日本では 福利厚生の担当者に権限がない。要するに誰がキーマンなのかがつかめませんでした。

― なるほど。第一馴染みがないですよね。日本の企業が事業所でマッサージとは。

新井氏:結局のところは社長なんです。キーマンは。社長まで話を持っていかないと、派遣を福利厚生として、活用してもらえないことがわかりました。 しかし、そこまでに時間をかけているうちに、売上があがらないことから資金がどんどん減っていきました。

― それは大変。売上があっての事業。どうされたのですか?

新井氏:まず、店舗を構えました。店舗があれば、とにかくお客様に来てもらえますし、売上がとれます。しかし、すぐに売上はそうあがりはしません。
2年目に入り、どうしようもなくなり、自分が住んでいたところの家賃が払えなくなり、一時期、自分の店舗に住んでいました。

― 笑いごとではないはすまない現実ですね。

新井氏:でも、3年目に入り、法人のお客様も増えてきて、どうにか採算がとれるようになってきました。
ただし、従業員との戦いが待っていましたが…。
― 従業員との戦い?

新井氏:私は、明治大学のビジネススクール(専門職大学院)の卒業生なんですが、経営者は経営のプロと思っていました。ですから、経営者が現場業務をする必要はないと考えていたのです。当社で言えばリラクゼーションそのものについて、実践する必要はないと思っていました。ところが、そのことに対し、働いてくれているセラピストが強く反発し始めたのです。

― これも一大事ですね。セラピストあってのビジネスです。

新井氏:勉強することにしました。当社では、リラクゼーションのスクールもやっています。そこで、そこに入会し自分でお金を払い受講することにしました。結局のところ、自分でやってみないとセラピストの気持ちがわからないといったことが、重々わかりました。

― さて、ちょっと違った側面からお聞きしたいのですが、セラピストまたはリラクゼーションサービスの質の管理と言いますか、均一化のための仕組みのようなものが気になるのですが?

新井氏:セラピストの「素質」の有無といったことも言われますが、当社では1万人の方に施術を行えば一人前としています。

― 数値化、言い方を変えると見える化をしているわけですね。

新井氏:そうです。感覚的な問題としてとらえず、数値化することで、質の管理がしやすくなります。お客様に対するサービスレベルの標準化、働いてくれるセラピストにもわかりやすくです。

― 事業として大きく将来を見据えた視点と言えますね。

新井氏:新卒の大学生の採用も検討しています。当社のセラピストには、職人肌の方はちょっと向かないと思います。

― 最後に、今後の展開について、お願いします。

新井氏:これからはホテルや旅館、といっても5つ星の高級ホテルなどを対象に派遣先を増やそうと考えています。法人だけではなく、宿泊施設への派遣を行うことで、土日祝日の空き時間を埋められます。また、お客様の健康管理といった部分にも関心を寄せています。当然、医療ではないものの、和らぎのある、優しい会社づくりへの貢献という立場で考えてみたいと思います。  当社の理念は、「健康」と「美」です。これを柱に事業を発展させていきたいと考えています。
(聞き手 新居 智臣)
      
      

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